CANONET S

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CANONET S
CANONET S


ベストセラーカメラとなったキヤノネットの2代目。キヤノンとしては初めて電子計算機(コンピューターの前身型?)を使って設計したというF1.7の明るいレンズを搭載していました。初代では共に底面にあったフィルム巻上げレバーと巻戻しクランクは、ご覧のように上面のオーソドックスな位置に移されました。シャッター速度優先AEとマニュアルという2モードは変わらず。しかし、露出計はセレンからCdSに変わり、測光範囲が暗い方に2.5EV拡大されました。発売の5ヶ月後には早くもキヤノネットQL17が登場したためこのカメラの生産台数はさほど多くないようです。

初代キヤノネットは比較的あっさりした感じの写りでしたが、本機は更にあっさりした感じ。あまり深みを感じさせない色合いなので、人によっては味気ないと思うかもしれません。しかし、ほとんど色が無いのに味と旨味がしっかりあるスープを使った塩ラーメンを連想させるこの写りをminocatは結構気に入っていました。こう言うのも十分有りだと思います。

本機は、minocatが油で貼りついたシャッター羽根をベンジンで洗浄して初めて復活させたカメラでした。ファインダーも同時期に入手したシャッターが完全に死んでいたキヤノネットQL17の方が綺麗だったので、ブロックごとそれとそっくり交換しちゃいました。QL17は、基本的にはSに当時のキヤノン独自のQL(フィルムの“クイック・ローディング”)機構を加えたものでした。外見的には、このQL機構によってボディの厚みが僅かに変化していますが、minocat的にはスリムなSの方がお気に入り。細かな違いとして、レンズ先端のプレートが、QL17はプラスチック製ですがSはアルミ製でした。

発売:1964年10月 / 当時価格:22,800円 / レンズ:CANON LENS SE 45mm F1.7(5群6枚)
シャッター:COPAL SV(B・1秒〜1/500秒のシャッター速度優先AE/マニュアル)
受光素子:CdS / ピント合わせ:二重像合致式 / フラッシュ:なし
電源:HP型水銀電池×1 / サイズ:140×78×67mm / 重量:約750g