GER

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当時人気を博したコニカC35フラッシュマチックと真っ向から対立するフジカのカメラ・・・それがこのGERでした。レンズのスペックをはじめ大きさ、重さもまったくと言っていいほど同じで、後発である分だけシャッターは完全な電子シャッターとなり、作動範囲も広がっていました。背面にあるフィルム確認用の窓や、フィルムを巻上げると赤から緑に変わる上面にあるサイン等は、当時は目新しいものでした。同時に発売されたGEは、このGERから距離計、セルフタイマー、シンクロソケット、フラッシュマチック機構を省略したもので4,000円安でした。

露出範囲は4秒F2.8〜1/800秒F13ですが、シャッター速度が4秒〜1/125秒は絞りが開放(F2.8)のまま変わらず、1/125秒より速くなると絞りとシャッター速度が共に変化していきました。フラッシュ撮影時は、鏡胴のリングの数値を使用するフラッシュのGNに合わせればフラッシュマチックが働きましたが、自然光を測定した際の絞りとフラッシュマチックによる絞りの小さい方が優先されるので、日中シンクロも可能でした。

このカメラの写りはとにかく派手。 渋さとか奥ゆかしさという言葉とはほとんど無縁で、すべての色が「これでもか!」と言わんばかりに、互いに主張し合っているような印象を受けました。立体感はあまり感じませんが、アニメのような鮮やかさは本機の写りの特徴と言えました。余談ですが、このGERをはじめとして、この頃のフジカのデザインは妙に八角形に拘っているような気がします。これはコニカのHEXAR=HEXAGON(六角形)に対抗してのOCTAGON(八角形)なのかなぁ?・・・などと考えてしまいました。

これはシャッターが死んだGERにGEのレンズボードを移植した、セルフタイマー無しのオリジナルのレッドモデル。右はオリンパス35EC2のオリジナルレッドモデル。
左がGE、右がGERの採光部。鏡胴のリングを回転させての部分を押すことによって、GEはフォーカスゾーンを示す針を動かし、GERは距離計を動かしました。

発売:1973年6月 / 当時価格:27,000円 / レンズ:FUJINON 38mmF2.8(3群4枚)
シャッター:SEIKO電子プログラムシャッター(4秒F2.8〜1/800秒F13)
受光素子:CdS / ピント合わせ:二重像合致式 / フラッシュ:なし
電源:HM-N型水銀電池×2 / サイズ:112×70×53mm / 重量:約355g