AUTO S2

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AUTO S2
AUTO S2
豊豊島区北大塚の怪しいリサイクルショップで発見したオートS2です。ケースに書かれていた名前と住所から、このカメラの前のオーナーは女性で、そのせいか外見はとても綺麗でした。絞り羽根が貼りついて動かず、露出計も反応が無かったので、店長に交渉して値段を下げてもらって連れて帰りました。絞り羽根はその日の夜のうちにベンジンで復活。しかし露出計は治りませんでした(電池を入れてバッテリーチェックボタンを押すと通電はしていますが、明るさに対する反応はまったくなし)。ケースはボロボロで使い物にならないので、すぐに捨ててしまいました。

露出計にCdSを用いたカメラでは世界初となるAEカメラ、コニカ・オートS(1963年4月発売)。本機はその2代目。露出計の位置がボディ前面から鏡胴の先端に変更され、フィルターを使用してもAEが使えるようになりました。また、オートSでは明るさによってCdSの感度を切り替えねばなりませんでしたが、その切り替えが必要なくなりました。サイズも重さもキヤノネットあたりとほぼ同じですが、こちらの方が正方形に近いので、なおさら大きく見えて威圧感を感じます。シャッターもキヤノネットと同じコパルSVを搭載し、露出もシャッター速度優先を基本としながらマニュアル撮影もできる2モード(minocatの家に居るのは露出計が機能していないのでマニュアル撮影しかできませんでしたが・・・)。

実際に写してみて、同時期のライバル(?)キヤノネットSの“あっさり”に対して色に深みがあり、そのせいかこちらの方が立体感も強く感じられました。ニュートラルな写りなのですが、決して無機的にならない良いレンズだと思いました。大きいのでそれほど出番はありませんでしたが、使うたびにこの頃の大口径レンズを搭載したカメラの写りの良さを実感させられました。オートS2は1967年3月にレンズがF1.6に大口径化されたオートS1.6へとマイナーチェンジされました。今ではそちらの方が一般的な存在ですが、minocatとしてはKONICAのネームが黒いオートS1.6よりも、シルバーにキラキラ輝くオートS2のルックスの方が気に入っていました。

発売:1964年12月 / 当時価格:(不明)円 / レンズ:HEXANON 45mmF1.8(4群6枚)
シャッター:COPAL SVA(B・1〜1/500秒) / 受光素子:CdS
ピント合わせ:二重像合致式 / フラッシュ:なし / 電源:H-D型水銀電池×1
サイズ:138×82.2×73.5mm / 重量:約750g