MG/D

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コニカとしては長いこと続いたC35シリーズから脱却したまったく新しいスタイルのカメラでした。当時のニックネームは「ジャスピン・スーパーII」。本機はオリンパスXAと同じ発想で、レンズの突起を極力小さくし、スライドカバーによってレンズの保護とシャッターロックを兼ねる構造になっていました。流石にXAよりは幅で17mm、高さで6.5mm、奥行きで4.5mm大きくなっていますが、それでもこのサイズでオートフォーカス、フィルムの自動巻上げ+巻戻し、更にフラッシュまでも内蔵したことは、当時としては画期的だったのではないでしょうか?(フラッシュを内蔵したことにより、電源もXAのようなボタン電池ではなく単3乾電池×2本になったことを考慮すればなおのこと凄いと思います。)

レンズはこれまでの38mmから35mmになり、F2.8からF3.5と、ほんのちょっとですが暗くなりました。フラッシュのスイッチは側面にあり、これによって格納されている発光部が飛び出すようになっていました。重さは電池別で約300gなのですが、見た目が非常にコンパクトなせいか持つと意外とズシリとした感じ。外見はプラスチック丸出しですが、中身は金属部品が詰まっていそうな印象を受けました。

このカメラの写りですが、それまでのC35シリーズとは明らかに一線を画したしもので、意外と同時代のフジカのカメラに近いような印象を受けました。C35シリーズで感じたナチュラルで素直なイメージとは違い、ややマゼンタ寄りの傾向を持ちながら、あらゆる色が派手めに誇張されているように思えました。とはいえ、それはこのカメラにとってマイナスというわけではなく、むしろ“特徴”として十分に評価できるファクターだと思います。その証拠に、時にはハッとするような描写もちゃんと見せてくれました。

発売:1983年12月 / 当時価格:47,800円 / レンズ:HEXANON 35mmF3.5(4群4枚)
シャッター:電子制御プログラム式(1/30〜1/500秒) / 受光素子:SPD
ピント合わせ:AF(赤外光アクティブ方式) / フラッシュ:あり(ポップアップ・GN12・手動)
電源:単3型乾電池×2 / サイズ:119×71×44.5mm / 重量:約300g