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1955年の'A'に始まるミノルタAシリーズの中の1台ですが、実質的にはスタイルを大きく変えた1959年発売のA3のバージョンアップとみることができます。改良点はシャッター速度に1/1000秒が追加されたのと、アルバダ式ブライトフレームからパララックスが自動で補正される採光式ブライトフレームにファインダーが変わったこと。内容的には、露出計を内蔵しないマニュアル露出オンリーの極めてシンプルなカメラで、ちょうどプログラムシャッターのオプチパー・ユニ・シチズンを搭載したユニオマットのマニュアル版とでもいった趣でした。また、翌1961年には、このA5をベースにセレンによるゼロメソッド式の露出計を備え、レンズもF2と明るくなったALが発売されました。
その後に発売されたハイマチックシリーズよりもわずかに小さく、前後にわずかな丸みを持ったこのカメラのスタイルは、嫌味がなくてとても好感が持てました。フィルムの巻上げは、角度が大きいのですが実にスムーズで、シャッターボタンも軽くて素晴らしい感触。フィルムカウンターは自動的に復元しないので、フィルムを入れ替えるたびに「0」に合わせ直さねばなりませんでしたが、自動復元が当たり前の世代のminocatにとっては、これはむしろ新鮮で楽しい作業にすら感じました。 このカメラの写りはどちらかというとソフトで、パリッとしたシャープさは感じません。しかしそのフワッとした柔らかさが見ていて心地良く、色合いもナチュラルで、カメラのスタイル同様に嫌味が無くて素直な描写だと思いました。とてもシンプルで極めて地味な存在ですが、使ってみると実に味わい深いカメラ。そんなA5は、「質実剛健」という言葉をそのまま形にしたようなカメラだと思いました。 |
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シャッター:OPTIPER CITIZEN MLT(B・1〜1/1000秒) / 受光素子:なし ピント合わせ:二重像合致式 / フラッシュ:なし / 電源:不要 サイズ:137×80×66mm / 重量:約720g | |||
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