HI-MATIC 7

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HI-MATIC 7
HI-MATIC 7


このカメラの前身であるハイマチック(正確にはそのOEMである(アンスコ・オートセット))は、アメリカの宇宙船フレンドシップ7に積まれて、初めて宇宙撮影を行ったカメラでした。そのハイマチックの受光素子をセレンからCdSに替え、マニュアル撮影も可能にしたのが本機でした。実物を目の当たりにしてまず最初に感じるのはその堂々たる大きさ。当時としては普通だったのかもしれませんが、この「ぬりかべ」のごとき巨大な真四角のボディには圧倒されます。しかし大きなセレンの窓がなくなった分、初代のハイマチックよりは幾分スマートに思えました。

このカメラのささやかな“世界初”としてトップアイ(CdSを鏡胴先端に配置)があげられます。これはそれまでCdSをボディに内蔵していた他のカメラに対し、フィルターワークが容易になるというというメリットを生みました。(セレンもこの頃からサークルアイが出始めました。)「ふ〜ん・・・」という感じですが、その後のトップアイを採用したカメラの数を考えれば、その重要性がお解かりになると思います(もっとも、minocatのところにいたハイマチック7の露出計はもともと死んでいたので、このご利益にはあやかれませんでしたが・・・・(^^;)。 フィルムの巻上げは「なんで?」と思うほど大きな角度ですがフィーリングは悪いものではありませんでした。シャッターもストロークは長いのですがマニュアル露出として使っているのでとても静かにきれました。

このカメラの写りは極端にシャープではなく、適度のまろやかさを持っていて非常に繊細。こういう味のある写りには好感が持てました。前の持ち主が分解し、革を貼り直す際にボンドをメチャメチャ多くつけたため、minocatが剥がすときにボロボロになってしまいました。そんなわけで前側だけ、当時100円ショップのダイソーで売られていた革風のブックカバーに貼り替えました。

余談ですが、minocatとジャンクカメラの出会いは、minocatが子どもの頃に我が家にあったオリンパス・オートアイをとある中古カメラ店で見つけ、懐かしさのあまりにそれを購入したことでした。そして2台めがこのハイマチック7で、3台めがヤシカ・エレクトロ35GS。これら3台を使ってみて、その写りの凄さに圧倒されて一気にクラカメ菌に全身を蝕まれてしまったのでした。

発売:1963年12月 / 当時価格:21,700円 / レンズ:ROKKOR-PF 45mmF1.8(5群6枚)
シャッター:SEIKOSHA LA(B・1/4〜1/500秒、プログラムAE時は1/15秒F1.8〜1/500秒F22)
受光素子:CdS / ピント合わせ:二重像合致式 / フラッシュ:なし / 電源:H-D型水銀電池 ×1
サイズ:140×82×73mm / 重量:約770g