HI-MATIC E

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HI-MATIC E
HI-MATIC E
ミノルタで初めてセイコーESFシャッターを搭載したカメラ。レンズも40mmF1.7という大口径のものが付き、EV0.5〜17という広範囲での撮影が可能になっていました。実際にはEV0.5〜6.5の間はF1.7のままシャッター速度のみが2〜1/30秒と変化し、EV6.5〜17は1/30秒F1.7〜1/1000秒F11でシャッター速度と絞りが一定の組合せで変化するプログラムAEでした。

スタイルは、大型のそれまでのハイマチックシリーズのボディをそのまま小さく凝縮した感じでした(このサイズはミノルチナ〜AL-Eといったシリーズとほぼ同じ)。そんなわけで良く言えばトラディショナルな雰囲気も感じられるのですが、どちらかと言うと古臭く、野暮ったい部類に入ると思いました。撮影の際、シャッターボタンを半押しでファインダー内に緑色のランプが点けばバッテリーOK、更に押し込んでランプが消えれば普通に撮影、色が赤に変わったときはシャッター速度が1/30秒以下(手ぶれ注意またはフラッシュの使用を促す)を表しました。シャッターの感触は「ジュワッ」という感じで、はっきり言ってあまり良くありませんでした。ストロークも比較的長いので、スローシャッターのときはより手ブレに対する注意を必要としました。

1970年代初期の当時、40mmF1.7という明るいレンズを搭載するカメラは数社から発売され、そのどれも写りの良さには定評がありましたが、そんな中にあってもこのカメラの写りの素晴らしさはトップクラスにランクされるものだと思いました。クリアでヌケが良いのにシャープ一辺倒ではなく適度な柔らかさを持っている・・・minocat的にはこのカメラの写りに対してそんなイメージを抱いていました。ESFシャッター特有のボケの美しさも相まって、特に開放時の立体感は素晴らしいものがありました。スタイルやシャッターの感触はイマイチでも、その写りは紛れもなく超一流。この写りにははまりました。

発売:1971年2月 / 当時価格:28,000円 / レンズ:ROKKOR-QF 40mmF1.7(4群6枚)
シャッター:SEIKO ESF(2秒F1.7〜1/1000秒F11のプログラムAE) / 受光素子:CdS
ピント合わせ:二重像合致式 / フラッシュ:なし / 電源:HM-N型水銀電池×2
サイズ:124×77×66mm / 重量:約560g