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オリンパスは1959年のペンによってコンパクトなハーフサイズカメラのブームを巻き起こしましたが、1966年のローライ35以降各社がフルサイズでのコンパクトボディを追求し始めたために同様のカメラの開発を迫られ、その第一弾としてペンEESをフルサイズ化したトリップ35を1968年に発売しました。そして翌1969年に、フルサイズでありながら当時としては比較的小型なボディの多機能レンズシャッターカメラとして35SPを発売。ここに紹介する35UCは、その35SPの外観をリファインして1973年に発売されたものです。リファインと言っても、minocat的には基になった35SPのスタイルの方が良いと思いました。とは言え、35SPはちょっぴり気になるカメラでしたので、この35UCの完動品が比較的安価に入手できたのはラッキーでした。
35SPが当時多機能と言われた理由は、スポット測光とセイコーFLAシャッターの搭載によるものでした。中でもスポット測光はこのカメラの最も大きな特徴で、CdSの中心部を分割し、背面のスポットボタンを押すことによって通常の測光角度約20度から中央の約6度(二重像部分とほぼ同じ)に狭めて測りました。セイコーFLAシャッターは、それまでのプログラムAEとマニュアルの2モードに加えてフラッシュマチック機能が加わりました。絞りとシャッター速度の両方を「A」にするとプログラムAE、それぞれを「A」からはずすとマニュアルになりました。いずれの場合もファインダーの中のEV値を表すメーターは機能したので、プログラムAEの場合は露出の過不足(スローシャッター注意等)がわかりますし、マニュアルのときは適正EV値を確認しながら絞りとシャッター速度の組合せを決められました(シャッター速度リングにもEV値が表示されました)。フラッシュ撮影の際は絞りリングをフラッシュのガイドナンバーに合わせればフラッシュマチックが働きました。 35SPは、本や様々なサイトを見るとかなり評判が良いので期待して使ってみました。しかし!・・・・実はシャッターの感触のあまりのひどさにminocatは閉口してしまいました。シャッターボタンを押し込むには力が要りますし、あげく“ガッチャン!”という音と感触には、それまでの期待が一気に崩れ去ってしまいました。この傾向は同じセイコーFLAシャッターを最初に搭載したミノルタ・ハイマチック9でも見られるので、この個体だけの問題ではないと思います。写りに関しても、この“ガッチャン!”という音に伴う振動が悪い影響を及ぼしているとしか思えない、イマイチ冴えないものでした。恐らく良いレンズなのでしょうが、その実力を引き出して使うにはコツが要るカメラだと思いました。 |
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シャッター:SEIKO FLA(B・1〜1/500秒(プログラムAEは1/15秒F1.7〜1/250秒F22)) 受光素子:CdS(スポット測光可) / ピント合わせ:二重像合致式 / フラッシュ:なし 電源:H-D型水銀電池×1 / サイズ:129×75×61mm / 重量:約600g | |||
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