AUTO EYE 2

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1960年代初〜中期のオリンパスと言えばハーフサイズのペンシリーズが非常に好評を得ていた反面、フルサイズのカメラは印象の薄いものでした。事実、minocatが古本屋さんで買った1964年10月発行の朝日新聞社刊「世界のカメラ 1965」では、PEN Fを筆頭にペンシリーズが6機種紹介されているのに対し、フルサイズ機はただ1台、SCが小さく載っているだけでした。そんなわけでminocatは、この頃(1959年のPEN発売から1968年のTRIP 35発売まで)のオリンパスのフルサイズ機たちを、“あまり表面に出てこなかった”ということで、「ニッチ・オリンパス(NICHE OLYMPUS)」と勝手に命名しました。

minocatが子供の頃から使っていた大好きなオートアイ(1960年発売)は、世界初の本格AE(当時はEE)カメラという栄冠を持つにもかかわらず、販売面においてはキヤノネットに完全に食われてしまった悲運のカメラでした。ここに紹介するオートアイ2は、そのキヤノネットに対抗すべくオートアイをコストダウンして発売したモデルと言われています。初代と違う点としてまず目に付くのが、貼り革が明るいグレーになったこと。更に鏡胴のデザインがすっきりしたので軽快なイメージになりましたが、minocat的には初代のメカニカルなイメージの方が好きでした。ファインダーの中でクルクルまわる独特な絞り値の表示はそのまま継承されていました。初代はマニュアルで絞りを選ぶとき、このファインダーの数値を見ながら小さなISOセットのつまみを回さねばなりませんでしたが、本機には単独の絞りリング(メチャメチャ幅が広い!)が設けられたので扱いやすくなりました。ただ、リング上には何も表示が無く、初代同様にファインダーの中でしか絞り値を確認することができませんでした。レンズは43mmF2.5となり、初代よりもほんのわずかにワイドで明るくなりました。

初代(左)と本機(右)の鏡胴の比較です。初代にはない絞りリング(ゼブラ模様)は幅広で、まるでAF SLR用ズームレンズのズームリングのようでした。鏡胴の先端にはアクリルのリングが見えますが、これは単なるデザインで、セレンは初代と同じ場所(採光窓の横)。

このカメラの写りの印象ですが、抜けの良さは初代と同じで素晴らしいのですが、どうも色の鮮やかさは一歩後退して淡白な感じがしました。minocatにとって初代は特別な想い入れがありますが、それを抜きにしても初代の方がクォリティが高いと思いました。とは言え、本機も十分魅力的でminocatは大好きでした。

発売:1962年4月 / 当時価格:16,800円 / レンズ:D.ZUIKO 43mmF2.5(3群4枚)
シャッター:COPAL SV(B・1秒〜1/500秒のシャッター速度優先AE/マニュアル)
受光素子:セレン / ピント合わせ:二重像合致式 / フラッシュ:なし / 電源:不要
サイズ:134×81×77mm / 重量:約650g