MINISTER

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LV方式を採用したカメラで、当時は結構売れたらしくカメラショップのジャンクコーナーでもかなり多く見られました。いかにも金属の塊といった趣のごついボディに対し、鏡胴が小さいために妙にアンバランスなスタイルに思えますが、「不細工な機械大好き人間」のminocatとしてはわりと気に入っていました。このカメラはフィルムの巻戻しクランクが底面にあり、その横にある小さなクランクを “クイッ” とひねると、巻戻しクランクそのものが “ピョコン” と飛び出すようになっていました。

セレンによる露出計を内蔵していて上面にメーターがありますが、単にそのときの適正EV値を示すだけのものでシャッターとは連動していません。LV方式は人によって好き嫌いが分かれるようですが、露光量を一定に保ちながら絞りとシャッター速度を変化させるので、鏡胴の互いのリングが反対方向に同時に回転する様などは、使っていてなかなか楽しいとminocatは感じました。

このカメラの写りですが、色を誇張することなくとても素直な印象を受けました(SAMPLEの1はかなり派手に見えると思いますが、これは被写体が派手なのであって決してカメラが誇張しているわけではありません)。写真によってはとても地味な色に見えますが、こういう穏やかな描写もそれはそれで味があり、なかなか好感が持てました。このカメラはファインダーを掃除したらハーフミラーのメッキがすべて剥がれてしまいました。おかげで極めて明るくすっきりしたファインダーになりましたが、二重像だけならまだしもブライトフレームも消えてしまったので実用になりません。そんなわけでtibikoronさんの「Classic Camera Beginners' Club」の「カメラ修理の迷宮」を参考に、ホームセンターでクルマ用のハーフミラーを購入し貼ってみました。結果は良好、予想以上に見やすいファインダーが復活しました。

発売:1960年2月 / 当時価格:14,500円 / レンズ:YASHINON 45mmF2.8(3群4枚)
シャッター:COPAL SVL(B・1〜1/500秒のLV式) / 受光素子:セレン
ピント合わせ:二重像合致式 / フラッシュ:なし / 電源:不要
サイズ:136×85×72mm / 重量:約760g