AIRES 35 IIIs

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AIRES 35 IIIs
AIRES 35 IIIs
1960年に倒産したアイレス写真機製作所のカメラ。このカメラは新宿の中古カメラショップで見つけました。ジャンク扱いで、自由に触れる状態でテーブルの上の箱に入っていました。手に取ってみるとシャッターは快調、絞り羽根も固まってない。見たところレンズも特に汚れは見受けられず、ファインダーを覗くと距離計の二重像もクッキリ。しかもセレンが光に反応し、露出計の針も振れていました。店の人にジャンク扱いの理由を尋ねたところ、動作確認をしていないから・・・とのこと。そんなわけで連れて帰ってきました。

正面から見るとまさしく "真四角"。上から見ると六角形。曲線を排したカチッとしたスタイルは、これはこれでかなり魅力的に思えます。手にするとズシリと重たく、まさに金属の塊といった感じ。アイレスは1958年9月に専用バヨネットマウントによるレンズ交換式レンジファインダーカメラ、Aires 35Vを発売しました。そのAires 35Vを固定レンズ化し、コストダウンを図ったのが本機でした。
露出はメーターの指す数値になるように絞りとシャッター速度を調節するライトバリュー(LV)方式。ハードな印象の外見とは反対に写りは意外と穏やかで、コントラストの強い被写体でも潰さず飛ばさず、無難な描写を見せてくれました。見た目と写りの印象が全然違う・・・そんなところが面白いカメラだと感じました。

発売:1958年12月 / 当時価格:28,500円 / レンズ:H CORAL 45mmF1.8(構成不明)
シャッター:SEIKO SLV(B・1秒〜1/500秒) / 受光素子:セレン
ピント合わせ:二重像合致式 / フラッシュ:なし / 電源:不要
サイズ:134×93×70mm / 重量:約850g