CHINON HANDYZOOM 5001

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CHINON HANDYZOOM 5001
CHINON HANDYZOOM 5001

池袋の大手量販店のジャンクワゴンで、セルフタイマー警告ランプのカバー欠損の状態で見つけたので連れて来ました(300円+消費税)。チノンとしては初めての電動ズームレンズを搭載したカメラで、そのスタイルは極めて個性的。一般的な35mmフィルムを使うカメラからかけ離れたそのスタイルは、どう構えてたらいいのか直感的にはわかりませんでした。オートフォーカスは、1987年10月に初のマルチAFを備えて登場したAUTO 3001同様に、横一列の3つのポイントに向けて赤外線を投影し、そのうち最も近いポイントにフォーカスを合わせる方式。「SPOT AF」ボタンを押すことによって中央のポイントだけを選択することもできました。
上の写真はズームによって35-50-70mmとレンズが繰り出す様子。ズームボタンはなんと底に付いていました。右手の中指と薬指を上面の溝に置いて人差し指で赤いシャッターボタンを押し、左手の人差し指と中指で上面の4つのボタンを操作、親指でズームボタンを操作するというものでした。背面のパワースイッチを「AUTO」にすると、あらかじめ設定された128通りの中から被写体に適した焦点距離に自動的にズーミングされる、オートプログラムズーム機構というのが働きました。このオートプログラムズームはシャッターボタン半押しで確認できるので何度か試してみましたが、minocatが意図する画角とは、残念ながら一度も一致しませんでした。露出やフォーカスと違い、画角には最適ポイントというものがありません。ですから、撮影者にとってオートズームは手助けではなく単なるお節介に過ぎなかったのかもしれません。「BCL」ボタンは+1.5EVの逆光補正。1コマ/秒の連続撮影も可能でした。

写りの印象ですが、初期のズームレンズ搭載機であるためか短焦点レンズのカメラに比べて眠たい感じがしました。もわぁ〜んとしていて全体的にピリッとしません。しかしこれはパソコンの画面で大きく映した場合のことであり、サービスサイズ(L判)程度のプリントであれば全く問題なかったでしょう。写りはそこそこで、使い心地もどちらかと言うと良くありませんが、この “変” なスタイルがminocat的には大きな魅力でした。

発売:1989年2月 / 当時価格:51,000円 / レンズ:35-70mmF3.7-6.8(6群8枚)
シャッター:電子制御プログラム式(B・1/4〜1/300秒) / 受光素子:CdS
ピント合わせ:オートフォーカス(赤外線アクティブ式・16ステップ)
フラッシュ:あり(固定・自動・強制発光可・キャンセル可) / 電源:2CR5リチウム電池×1
サイズ:146×70×78mm / 重量:約420g