DEMI EE17

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DEMI EE17
DEMI EE17



このカメラは、オリンパス・ペンによってもたらされたハーフサイズブームに乗り、キヤノンが発売したデミ・シリーズの後半の上位機種。デザイン的にはオリジナルと同じイメージを保ちつつも、それまでセレン+ケプラー式ファインダーだったものが、このEE17ではCdS+ブライトフレーム付きの逆ガリレオ式ファインダーに変わりました。F1.7という明るいレンズを搭載し、撮影モードもシャッター速度優先AE+マニュアルということで、中身的にはキヤノネットQL17(小さくなったNEWタイプ)のハーフサイズ版といった感じでした。

距離計を搭載せず、ピント合わせは目測でした。ファインダーを覗くと下の方に大まかな距離を表すピクトと針が見え、それによってピント合わせができるようになっていました。しかし、流石に開放(F1.7)付近では被写界深度がかなり浅くなり、そんなときは鏡胴の距離表示を見ながら合わせざるをえませんでした。ファインダーの右側では針によって絞りも確認できるようになっていました。セルフタイマーを使うとき、一般的にはレバーを縦から横に倒しますが、このカメラはその逆で、普段横になっているレバーを縦に起こしました。

このカメラの写りですが、キヤノネットに通じるあっさり系に感じました。minocat的には本機のレンズよりも、デミEE28のF2.8のレンズの方が描写に鮮やさを感じました。また、オリンパス・ペンEEDのF.ズイコー32mm F1.7と比較しても、シャープネスや鮮やかさが幾分後退したように感じました。ただし、これらの印象はあくまでもネガから直接スキャンした場合のことで、ラボでプリントするのであれば補正によって十分に補えると思いました。最後に、minocatの家にやって来たときは撮影不能だった本機のレストアのために、ドナー個体を提供してくださったharikyu仙人に心より感謝します。

発売:1966年5月 / 当時価格:15,800円 / レンズ:CANON LENS SH 30mm F1.7(4群6枚)
シャッター:SEIKO(B・1/8秒〜1/500秒のシャッター速度優先AE/マニュアル)
受光素子:CdS / ピント合わせ:目測式 / フラッシュ:なし
電源:H-D型水銀電池×1 / サイズ:117×71×48mm / 重量:約445g