TRIP 35

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TRIP 35
TRIP 35
1959年に発売されたペンをきっかけにハーフサイズブームが巻き起こりましたが、1966年にフルサイズでありながらハーフサイズ並みの小型ボディのローライ35がドイツから発売され、日本でも各社がフルサイズの小型機の開発を始めました。そんな中でオリンパスからフルサイズの小型カメラとして発売されたのが本機でした。しかし、本機は元々ハーフサイズが日本ほど多くは売れない海外向けとして、ペンEESをフルサイズ化して生まれたもので、露出計周りは全くと言っていいくらいペンEESと同じ作りにになっていました。ジャンクではセレンの死んだものしか出回っていないと思っていましたが、運良く外見が汚いだけの完動品を入手できました。

露出はプログラムAEでカメラ任せでしたが、フラッシュ撮影時のときはオートをはずし、フラッシュの光量と被写体までの距離によって絞りを調節せねばなりませんでした(その際のシャッター速度は1/30秒)。写りは評判どおりで、黙っていればとてもこんなシンプルなカメラで撮ったとは思えないパリッとしたもの。オリンパスのそれまでの大型ボディのカメラが登載していたF1.7クラスの大口径レンズよりも、メリハリがあってリアルな写りだと思いました。

このカメラはEV8以下の低輝度になるとファインダーに“赤ベロ”が出てシャッターがロックされましたが、ISO200のネガフィルムを使用して夜のイベント会場においてノーフラッシュで試写したときも結構写すことができ、勿論ちゃんとくっきりシャープに写っていました。

トリップ35は、マニュアル撮影の場合はシャッター速度が1/30秒に固定されました。
下は露出計が完全に死んでしまった固体を使って1/250秒できれるように内部のパーツを
変形させ、1/250秒単速+絞りをマニュアル調節して写せるように改造したモデル。
外見もお遊びでド派手なものにしちゃいました。写りはバッチリでした。
《 TRIP 35 PINK PANTHER 》
TRIP 35 PINK PANTHER

発売:1968年4月 / 当時価格:14,800円 / レンズ:D.ZUIKO 40mmF2.8(3群4枚)
シャッター:機械式プログラム(1/30・1/250秒)(マニュアル:1/30秒)
受光素子:セレン / ピント合わせ:目測式(ゾーンフォーカス・4点)
フラッシュ:なし / 電源:不要 / サイズ:116×70×57mm / 重量:約410g