RESTOR ROOM
OLYMPUS PEN EE
油べっとりのシャッターユニットを
手抜きしながら(?)分解洗浄

浦和のカメラ店で絞りとシャッター不動の状態で発見。しかし、セレンは生きていて露出計は機能していました。同じ値段で完動品として売られていたキヤノネット28と迷ったあげく、レストアの練習にもなると思い、あえてこちらを選んで連れて帰りました。
外から見た限りではわからなかったのですが、開けてみたらシャッターまわりのパーツがかなり錆びており、中に水が浸透した形跡がありました。さらに油による粘りも予想以上で、特にシャッター羽根の貼りつきはしぶといものでした。
恐らく前のオーナーは濡らしてしまった後に内部の錆びを懸念し、対応策として本来はご法度であるシャッター羽根への注油をしたものと推測されます。以前レストアしたトリップ35は、もともとこのカメラの兄弟機のペンEESをフルサイズ化したものだったので、露出計まわりのパーツは十分に見覚えのあるものでした。セレンとレンズボードをつなぐコードを断線しないように注意しながら作業しました。
最初のうちは羽根に少量のベンジンを垂らして様子をみたのですが、シャッター羽根の貼りつきには効果がみられませんでした。この頃は仕事などで何かと忙しく、作業に時間をかけるのがしんどかったので、最後はこのままの状態で洗面所に持っていき、赤〇の部分に前後からベンジンを思い切り浴びせちゃいました。
左:ベンジンが完全に蒸発して動作が正常になったら、手で絞りを開いてレンズの前面を拭き拭き・・・
右:続いて手でシャッターを開いてレンズの後面を拭き拭き・・・

左:稀釈した油を羽根にまわらないように注して組み立て。
右:露出計の針は気持ち良いくらいにビンビンに振れています。
さあ、これでレストア完了・・・と思ってトップカバーをはめてみて、アレレ? フィルム巻上げダイヤルが逆にも回転する! これだとうっかりすると、ダイヤルが戻りながらシャッターを開いてしまいます。原因を探るために再びトップカバーを開けてみると・・・
スプリングがはずれていて、赤〇の逆回転防止用のパーツが遊んでいました。スプリングをはめてトップカバーをかぶせ、剥がした革も貼りなおして今度こそ完了、復活です。
このペンEEの写りは こちら 
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